人工透析について


こやまクリニックが推奨する
透析時間

短い透析時間の弊害

1回につき4時間未満の人工透析を週3回行い、これを長期間にわたり続けていると以下のような弊害が出てきてしまいます。
・透析者の寿命が短縮されてしまいます。
・副作用(合併症、余病)の種類が増え、症状もさらに重くなっていってしまいます。
透析者のための良質な医療を心がけるという視点から、こやまクリニックでは4時間未満の透析は推奨しない方針を維持してきました。


こやまクリニックが強く推奨する透析時間

人工透析

人工透析

上記のような短い時間での透析による弊害を防ぐために、こやまクリニックでは次の点を特に心がけています。

・透析者の皆さんに対しては、長期的にわたって可能な限り4時間以上の透析を受けていただくよう強く推奨しています。

・長時間の透析を希望する皆さんからの要望に応え、より長い時間での透析も実施しています。現在、5時間以上の透析を受けている方は全体の約三分の一(3人に1人)となっています。


透析時間については、転入時および転入後に院長との相談や実際の診察を通して決める流れとなっています。5時間以上の透析については転入前に希望を伝えてこられる方もいらっしゃいます。こやまクリニックでは仕事を続けながら十分な透析を受けられるようにアドバイスをさせていただいています。透析の曜日や開始時間についてなど、お気軽にご相談ください。

血流量について

血流量とその意味

血流量(血液流量、血流速度)は、1分間(minute、略してm)あたりに何mlの血液が穿刺された針から取り出されて浄化されるかを示す数値で、「○○○ml/分」もしくは「○○○ml/m」と表されます。血流量が増えると、その分より多くの血液が浄化を受けることができるようになります。

血流量を増やすことによる効果

(1)透析者の生命予後を改善する、(2)合併症の種類を減らす、(3)合併症の重さを軽減する上で望ましい透析条件として、透析時間をできる限り長くする、透析の効率をできる限り高くすることが挙げられます。

結局のところ、透析者の寿命をのばし合併症の種類を減らしたりその症状を軽くしたりするには、できる限り効率の良い透析をなるべく長時間行う必要があるということになります。これはDOPPS(Dialysis Outcomes and Practice Patterns Study)と呼ばれ透析の治療効果や予後への影響を調査する国際的な研究によっても認められているエビデンス(evidence:根拠、証拠)です。

性能が良いダイアライザーの使用、通常の血液透析(HD)では対応できない大きさの分子量を持つ尿毒素を除去する血液濾過透析(HDF:当院ではオンラインHDFを採用)の実施、血流量・透析時間の増加を組み合わせることで、従来よりもより十分な血液浄化が可能となります。

こやまクリニックにおける透析での血流量

現在こやまクリニックでは多くの方が血流量300ml/分~400ml/分で透析を受けており、本人から希望が出た場合には色々な条件をふまえた上で院長と相談し血流量を上げるという形を取っています。今のところ申し出が無いため400ml/分を超える血流量の方はいませんが、希望がありかつ適応があればゴーサインを出す態勢は整っています。

透析時間以外にも上記の血流量に関する希望がありましたら、お気軽にご相談ください。転入相談・病院見学の際に伝えてくだされば、それらの要望を踏まえた上で院長から今後の方針について提案させていただきます。

こやまクリニックで使用している針の太さについて

当院では血流量に応じて14G~17Gの針を使用しています。

オンラインHDFの効果について

日本HDF研究会によれば、HDFには以下のような臨床効果が認められています。

確実に効果が認められている症状

・腎性貧血
・皮膚のかゆみ
・イライラ
・不眠
・末梢神経障害
・栄養障害、異化亢進
・透析アミロイド症、関節痛

実際に効果が報告されている症状

・色素沈着
・低血圧、透析困難症

こやまクリニックでの実例

こやまクリニックでも、オンラインHDFを本格的に全面導入した2003年より少し経過した2005年の時点で既に、貧血改善のほか、顕著な自覚・他覚症状として色素沈着の改善、そして体力の向上が認められました。

その他、以下のような臨床効果も広く見られました。

色素沈着の改善

透析者の皆さまにとって何より身近に実感されるのは、肌の透明感と潤いが増すことだと言います。女性の方々からは「何よりです」、「鏡を見るのが楽しみになりました」という声が聞かれました。

体力の向上

体力については基礎体力の向上が導入後数ヶ月から見られ、「冬の寒さや夏の暑さがしのぎやすくなりました」という方が増えました。また男性を中心に「仕事での集中力が増し」、「体力に粘りが出たことで、以前よりも毎日の仕事に取り組みやすくなった」との声が聞かれています。

また、このほかに「味覚が鋭くなり、これまでよりも食べ物を美味しく味わえるようになった」「関節痛が改善し、徒歩で通院できるまでになった」といった例がありました。



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